家計が厳しいときに見直すべきローン支払いの優先順位

毎月の収入がなかなか増えないなか、物価上昇の影響で生活費がかさみ、ローンの返済が思うように進まなくなることがあります。複数のローンを抱えているとさらに負担が大きくなるため、支払いの優先順位を見直すことで、効率よく完済への道筋をつけることができます。

どのローンから返していくべきか、その判断基準を理解し、適切な対応を取ることが重要です。

まずは家計の収支を正確に把握する

ローンの優先順位を決める前に、現在の家計状況を正確に把握しましょう。毎月の収入から生活費や固定費を差し引いて、実際に返済に充てられる金額を明確にします。

この作業を行うだけで、無駄な出費に気づくことができる場合もあります。

利息負担を最小限に抑えるために

複数のローンがある場合、利息の発生を最小限に抑えることが早期完済のカギとなります。それぞれのローンの金利を比較し、支払い総額がどれくらいになるのかを計算してみてください。

金利が高いほど、毎月の返済額に占める利息の割合が大きくなり、元金が減りにくくなります。

優先的に返済すべきローンの見極め方

ローンの優先順位は、金利の高さ、借入額、担保の有無などによって決まります。ここでは、どのローンから先に返していくべきか、具体的な判断基準を整理していきます。

金利の高いローンを最優先にする理由

消費者金融やクレジットカードのキャッシング、リボ払いなどは、金利が年10%を超えるケースが多く、放置すると利息がどんどん膨らみます。

住宅ローンのように年1〜2%の金利のものと比べると、支払う利息総額に大きな差が出るため、金利の高いローンから優先的に返済することが基本です。

ローンの種類 一般的な金利の目安 優先度
消費者金融・キャッシング 年10〜18%
クレジットカード・リボ払い 年15%前後
自動車ローン 年2〜8%
住宅ローン 年0.5〜2%

担保付きローンへの対応

住宅や車などを担保にしているローンは、返済が滞ると資産を失うリスクがあります。ただし住宅ローンは金利が低く、返済期間も長いため、他のローンよりも優先度を下げて対応することが多いです。

元金が大きく完済に時間がかかるため、先に高金利のローンを片付けた方が、総支払額を抑えられる場合があります。

少額のローンも戦略的に活用する

借入額が少ないローンは、比較的短期間で完済できます。完済できるローンから片付けていくことで、管理の手間が減り、精神的な負担も軽くなります。

達成感を得ることで、他のローン返済へのモチベーションも高まるでしょう。

支払いを楽にする具体的な方法

優先順位を決めたら、実際に返済負担を軽減する方法を検討しましょう。家計の見直しや、ローンの借り換え、繰り上げ返済など、状況に応じた対策があります。

家計の固定費を見直して返済資金を確保する

通信費や保険料など、毎月固定でかかる支出を見直すことで、返済に回せる資金を増やすことができます。見直すべき固定費の例を以下にまとめました。

  • 通信費:スマートフォンのプランを格安SIMに変更するだけで、月数千円の節約になります。家族全員で見直せば、年間で数万円の削減も可能です。
  • 保険料:加入している生命保険や医療保険に、現在の生活状況に合わない不要な保障がついていないか確認しましょう。保険の見直しで月数千円から1万円以上削減できるケースもあります。
  • サブスクリプション:動画配信サービスや音楽配信サービスなど、使っていないのに契約が続いているものはありませんか。月額数百円でも、年間で見ると大きな金額になります。
  • 光熱費:電力会社やガス会社の契約プランを見直すことで、基本料金や単価を下げられる場合があります。

借り換えやおまとめローンの検討

複数のローンを抱えている場合、より低い金利のローンへ借り換えることで、毎月の返済額を抑えることが可能です。

全国銀行協会によれば、借り換えには保証料や手数料などで50万〜70万円程度の諸費用がかかりますが、返済期間が長く残っている場合や金利差が大きい場合には、諸費用を差し引いても軽減効果が見込めます。ただし、貯蓄を大きく減らしてまで諸費用を支払うのは避けるべきです。

繰り上げ返済のタイミングと効果

まとまった資金があるときは、繰り上げ返済を検討しましょう。繰り上げ返済には以下の2種類があり、それぞれ効果が異なります。

繰り上げ返済の種類 特徴 効果
期間短縮型 毎月の返済額は変わらず、返済期間を短くする 利息総額を大幅に削減できる
返済額軽減型 返済期間は変わらず、毎月の返済額を減らす 月々の負担を軽減し、家計に余裕を持たせる

特にボーナスが入ったときや臨時収入があった際には、高金利のローンから優先的に返済することで、支払い総額を大きく減らすことができます。

複数ローンは一本化で管理しやすく

おまとめローンを利用すると、複数あった返済日や返済額が一本化されるため、管理が楽になります。毎月の返済額を抑えることができれば、精神的な余裕も生まれるでしょう。

ただし、返済期間が延びることで総支払額が増える場合もあるため、金融機関でしっかりシミュレーションしてから判断してください。

支払いが難しくなったときの対応策

どうしても返済が難しい状況になった場合は、早めに対処することが大切です。放置すると延滞金が発生したり、信用情報に傷がついたりするため、専門家に相談することも視野に入れましょう。

返済が苦しくなったときの対応手順

返済が難しくなったら、以下の手順で対応を進めてください。早めの行動が、状況悪化を防ぐカギになります。

  1. 借入先に連絡する:返済計画の見直しや一時的な返済猶予について相談しましょう。連絡を無視すると、一括請求や法的措置に進む可能性があります。
  2. 返済スケジュールを再調整する:金融機関との話し合いで、分割払いへの変更や支払い期間の延長が認められる場合があります。
  3. 家計の徹底的な見直し:固定費だけでなく、食費や娯楽費など変動費も含めて、削減できる項目がないか再確認します。
  4. 専門家への相談を検討:自力での改善が難しい場合は、弁護士や司法書士、ファイナンシャルプランナーなどに相談しましょう。

債務整理という選択肢

自力での返済が困難な場合、債務整理を検討することも一つの方法です。状況に応じた以下のような手続きがあります。

  • 任意整理:弁護士や司法書士が債権者と交渉し、利息のカットや返済期間の延長を図ります。比較的手続きが簡単で、費用も抑えられます。
  • 個人再生:裁判所を通じて借金を大幅に減額し、原則3年間で分割返済する制度です。住宅を残したまま借金を整理できる場合があります。
  • 自己破産:裁判所に申し立てて、すべての借金の支払い義務を免除してもらう手続きです。ただし、一定以上の財産は処分される必要があります。

債務整理を行うと信用情報に記録が残り、数年間は新たな借入やクレジットカードの作成が難しくなるなどのデメリットもあるため、慎重に判断してください。

無理のない返済計画を立てて家計を立て直す

ローンの支払いが厳しいときは、まず優先順位を見極めて、金利の高いものから集中的に返済することが重要です。家計の見直しや借り換え、繰り上げ返済などを組み合わせることで、負担を軽減できる場合があります。

返済を急ぐあまり、生活費を削りすぎて体調を崩したり、家族関係がぎくしゃくしたりしては本末転倒です。無理のない範囲で計画を立て、長期的な視点で完済を目指しましょう。

必要であれば専門家の力を借りながら、着実に家計を立て直していくことが大切です。